筋肉とは?

筋肉は筋繊維が束になってできています。 よく筋肉が「ついた」とか「落ちた」という風に表現しますが、実は量は変化しません。 筋繊維の太さが変化するだけなので、正確には筋肉が「太る」「痩せる」という方が正しいのです。 もちろん年齢での変化もありますが基本的には筋繊維の太さは運動量によって変化します。

筋肉は身体を動かす時だけでなく姿勢を維持するのにも働いています。 よく患者さんから「のんびりしているだけなのに疲れる」というお話を聞きますが、 同じ姿勢を保つのに筋肉は仕事をしているのですから仕方の無い事なのです。 そういう意味では筋力は「耐久力」という言い方もできます。 「お昼位までは調子がいいのに、それ以降は・・」という場合はまさしく耐久力が不足しているのです。

ちなみに筋肉は動かすことで言うなれば血液を圧送するポンプの役目も果たすので 血行がよくなります。 ポンプの役目は、本来は心臓の仕事なのですが、 心臓だけでは身体から突き出した手足の血行まで完全にまかなうのは難しいのです。 筋力の強さはポンプの強さと考えてよいと思います。 女性の方は冷えで悩まれている方が多いですが、 これは身体の動かし方と筋力を見直す事で解消する場合が少なくありません。

運動して筋肉を強化すれば疲れにくくなります。 痛みは疲れが蓄積して発生する場合が多いので効果は絶大です。 「そうは言うけれど自分の年齢では筋肉がつかないのではないか」と心配する方が多くいらっしゃいます。 しかし、大丈夫です! 最初はちょっと辛いかもしれませんが年齢に関係なく筋肉は太ります。 実際、80才以上で筋力が増えた方が多くいらっしゃいます。 むしろ年齢が高い方の方が変化はわかりやすいと思います。 頑張って元気な身体を取り戻しましょう。

どんな運動をすればいいの?

腕立て伏せや腹筋のような局所的な運動ももちろん必要ですが、身体全体を使う運動の方が好ましいです。 例えば、プールやサイクリングがお勧めです。

プール

プールでは無理に泳がなくても構いません。 「ちょっと水と戯れて来ようかな」位な軽い気持ちで遊びに行ってもらえればそれでいいと思います。 何事も楽しみながらでないと長続きしませんからね。 最近は運動目的でプールに行く方が多いですから、その方達と情報交換しながら運動すればもっと楽しめると思います。 具体的には、水の中を歩く時は前歩き、横歩き、後ろ歩きです。 歩く時は手を交互に水を大きく掻く様に腕を動かします。 どの動きでも注意してほしいのは、ゆっくり大きく動かすという事です。 ただでさえ水の抵抗が大きいので早く動かそうとすると筋肉を痛めてしまいます。

泳ぐ前は特にしっかりと準備運動をしてください。 泳ぐ動きは全身の筋肉を使いますので、もし普段動かしていない部分を急に使ったら 筋肉がびっくりして攣ってしまいます。

サイクリング

腰痛の原因の6〜7割は仙腸関節(骨盤の関節)にあるといわれています。 実際、コヤマカイロプラクティックオフィスに腰の痛みで来院される方はかなりの割合でこの関節に不具合を抱えていらっしゃいます。 この関節が原因の腰の痛みをお持ちの方にはサイクリングをお勧めしています。 不具合は関節の動きが悪くなって起こることが多いですが、ペダリング(ペダルをこぐ)によって動きを改善、もしくは悪くなりにくくできるのです。

そのためにはサドルの高さと乗り方(降りかた)に注意する必要があります。 サドルはペダルを一番下にした時に膝が軽く曲がるくらいの高さに設定します。 こうすると地面に足がつかなくなりますが骨盤の関節は動けるようになりペダリングがスムーズに行えます。 サドルを低くしてしまうと足がしっかり伸びないので膝に負担がかかってしまいます。 ハンドルにしがみ付かないようにするのも大事です。 自転車は背筋で支えて乗るものなのです。

ペダリングは足の力で蹴るのではなく、ペダルに体重を掛けるイメージで踏んでください。 「自転車に不慣れな人はペダルを筋力で踏み、プロは骨盤で踏む」と言います。 プロは身体の運動効率、即ち無理なく力を有効に使う方法を考えていますから参考になるのです。 速く走る必要はありません。 むしろご自身のペースで淡々と距離を走られたほうが良いと思います。

コヤマカイロプラクティックオフィスの患者さんで運動として自転車に乗られている方達は平均で一度に20キロ程度走られている様です。 この患者さん達は中腰で腰に負担のかかるお仕事をされているのですが、自転車に乗るようになってからはとても状態が良くなっています。 もちろん、そこまで距離を走らなくても効果は出ますのでご安心ください。 個人的には自転車はできたらスポーツサイクルの方が良いと思いますが、普通のシティーサイクルでも大丈夫です。 スポーツサイクルはハンドルやサドルの調整幅が広く、より自分に合ったポジションに設定できるので疲れにくくなります。 シティーサイクルで走って慣れてきたら購入しても良いかもしれません。

乗る時と降りる時はサドルの前のフレームに跨るようにします。 発進する時はその状態で前側にした片方のペダルに足を乗せて体重を掛けて発進、その勢いでサドルに座ります。 降りる時はブレーキを掛けながら片方のペダルに体重を乗せ、停止したらそのままサドルの前に降りてください。 慣れてしまえばとてもスムーズに乗り降りできることに気付いてもらえると思います。

運動時の注意点

運動する際の注意点がいくつかあります。

最初は徐々に動かしましょう。

ほとんどの人は現段階での自分の体力の限界がわかっていません。 「以前はこれくらい動けていたから」という感覚で運動量を決めてしまう事が多いため、動かしすぎになってしまいます。 最初は物足りないくらいでちょうど良いのです。

メリハリをつけて動かしましょう。

運動は別な言い方をすれば「脳に、身体を動かしやすくする癖をつける」作業です。 身体の動きを司っているのは脳なのでいくら身体を動かしても、脳が「運動しているな」と認識してくれないと運動した事にならないのです。 運動で大事なのは回数をこなすのではなく、筋肉を動かす神経をしっかりと使い疲れさせる事です。 そのためには大きな動きで、止める時は確実に止めて動かす時は確実に動かす等メリハリをつけ、尚且つ反復するのが効果的です。

想像しましょう。

人は想像(イメージ)する事で目標に近づけます。 例えば、体力が増えて痛みを感じずに快適に過ごしている自分や元気に運動している自分を想像するのです。 あとは運動時に「今この筋肉に力が入っているな」と使っている筋肉を意識するのも良いでしょう。 筋肉を意識すると、意識しないのに比べて筋肉が発達しやすくなります。

徹底しましょう。

自分なりのルールを決めて徹底して守る事をお薦めします。 決して厳しい運動を絶対に毎日しましょうと言っているわけではありません。

私事ですが、以前自分は1年で体重を15キロ落としました。 よくその方法を聞かれるのですが、その度に驚かれます。 なぜなら比較的簡単な事しかしていないからです。 例をあげますと、間食を含め食べ物の摂取量の制限はするけれども外食の時は我慢しない、平日に運動はするけれども休日にはしない等です。 甘いルールだと思いませんか? その代わり徹底してルールを守りました。 自身で「これくらいなら守れるかな」という程度のルールでよいのです。 

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